肝臓デトックスを行う前に・・・ 肝臓とはどのようなもの

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肝臓とは:


【肝心かなめの臓器】
  一番大事で中心になることを「肝心かなめ」といいます。
  古くから伝わる言葉が示すとおり、肝臓は人体の中で、大変
  重要な働きを担っている臓器です。
 
  肝臓は人間の身体の中で脳に次いで大きな臓器であり、
  生命活動を維持するためのさまざまな働きをしています。
  そのために障害を起こして、機能が悪化するとたいへんな
  ことになるわけです。
  しかし、肝臓はダメージを受けても弱音を吐かず、痛みも
  現さない「働き者」です。自分でも十分注意してるつもりでも
  知らず知らずのうちに酷使して、

壊してしまい機能不全に陥ることまであります。

人間の身体にとって重要な働きをしている肝臓ですが、その仕組みと
働きは実に複雑で多岐にわたります。よく肝臓は「人体の化学工場」
に例えられます。

 

【代謝機能】


   人間の身体は食物から消化、吸収した栄養素をそのままの
   形では利用することができません。そこで、栄養素を分解したり
   合成したりして身体が利用できる形に作り変えなければなりま
   せん。
   このような栄養素の作り変え作用を代謝といいますが、この
   代謝作用が肝臓の仕事の中でも最も重要なものです。

【解毒作用】


   食べ物や飲み物の中には、栄養となるもの以外に時として
   有毒なものが含まれていることがあり、有害物質の多くは
   腸から吸収され肝臓に集まってきます。
   また体内でも食べ物を分解する過程でさまざまな有害物質が
   生じます。
   肝臓は自分の持っている解毒作用の働きによって、これらを
   無毒化して体外に排出し、有毒物質が全身に回るのを未然に
   防いでいます。

【胆汁の合成】


   肝細胞でつくられる胆汁は消化液の一つで、脂肪の消化・
   吸収に欠かせないものです。また。脂溶性のビタミンである
   ビタミンA,D,E,Kなどの吸収も大切な役割です。
   また、肝臓で処理された老廃物や身体に必要のないものを
   排除するのも大切な仕事の一つです。
   肝炎や胆石などの障害があると胆汁の合成や排出がうまく
   いかなくなり、黄疸となって現れます。 

肝臓の疲れ

【肝臓の疲れが出ている人は4人に1人】


   肝臓は全身に栄養を送り、全身の老廃物を処理しています。
   よって毎日休むことなく働き続けている臓器です。
   そして、2500億個の細胞の一個一個が独立した化学工場
   として働いています。ですから、肝臓をいたわってあげないと
   化学工場がオーバーヒートをおこしてしまいます。健康診断や
   人間ドックなどで、肝臓の働きを調べる「肝機能検査」をすると
   肝臓の疲れの出ている人が4人に1人もいるのです。
   コレステロールの高い人や高血圧の人より多くみられます。

【肝臓の働きが低下すると・・・】


   疲れやすい
   お酒が弱くなった
   だるい
   元気がない
   疲れが抜けない
     
        などの症状が現れます。
     

  肝臓の機能はこんなときに低下 します。
    
     1 アミノ酸(たんぱく質)不足
     2 ビタミン不足
     3 脂肪過剰摂取
     4 アルコール、薬の服用
     5 ストレス
     6 休養不足

 
   日常で注意したいこと 

       1  良質な」たんぱく質を十分に摂る。
         また、代謝に必要なビタミンBを多く摂る。

      2 食後は1時間ほど横になること。
           (食後しばらくは肝臓への血流が流れやすい状態    
            でいることが大切)

      3 お酒、香辛料は適度に。
      
       4 ストレスは早めに解消する。
           (ストレスは肝臓の働きを一番低下させる)


肝臓を疲れさせる原因


最初にもお話ししましたように、肝臓と言うとすぐにお酒が思い浮かぶと思いますが、お酒をほとんど、あるいはまったく飲まない方でも、次のようなことが肝臓を疲れさせる原因となります。

(1)食べ過ぎ・食べ物の種類
食べ過ぎると過剰な栄養の処理に追われて肝臓がフル回転をし続けますから、その状態が長期間続くことで肝臓は疲れ果 ててしまいます。
また、量 だけではなく、食べ物の種類も関係します。
油物(フライ・てんぷら・スナック菓子等)、卵、牛乳、乳製品(チーズ・バター・ヨーグルト等)、肉類、小麦粉(パン・パスタ・麺類等)、プロティンといった、要するに高タンパク・高脂肪な食べ物を消化することは、 他の栄養を処理するよりも肝臓にとって手間がかかるので、体にとって必要以上の分が入ってきた場合には、分解・排出の仕事が増え、その分だけ疲れます。

(2)睡眠不足、夜更かし
人が活動するためのエネルギーは肝臓に貯えられており、必要に応じて使われます。よって起きて活動している時間が長ければ長いほど、肝臓はその仕事に追われます。
さらに、活動のあとには様々な老廃物が体内に発生しますが、血液に乗って運ばれてきたそれらを掃除するのも肝臓なのです。よって睡眠不足は2つの余分な負担を肝臓にかけることになります。
また、この下(5)にあるような自律神経のバランスで肝臓を始めとした内臓は動いたり休んだりしていますが、夜型の生活習慣、あるいはお仕事柄夜勤が多かったりした場合には、自律神経のバランスがくずれやすくなり、肝臓の働きにも影響を与えます。

(3)運動不足
運動不足による過剰な栄養の蓄積や排出を肝臓が行います。
また運動不足で筋肉を動かすことをしないと、末梢からの血液の戻りが悪くなり、汚れた血液が体に溜まっていきます。その処理に肝臓は追われることになります。

(4)食品添加物、農薬など
これらのものを取り入れ、それが体にとって有害である場合、その解毒・排出を担当するのは肝臓ですから、ここでも余分な仕事を肝臓に与えてしまいます。

(5)ストレス
職場や学校での人間関係、家庭の問題その他、精神的にストレスになる状況はたくさんあります。人はストレスには交感神経を緊張させて対処しようとします。
一方、肝臓を始めとした臓器を動かす神経は交感神経とシーソーのような関係にある副交感神経であるため、体がストレスに対して抵抗している間は、肝臓はうまく働けない状態が続きます。
しかも交感神経の緊張は多くの内臓の血流量 も減少させてしまうため、肝臓にも余計に負担がかかります。しかし、肝臓がやるべき仕事はあとからあとから押し寄せるため、疲れ果 ててしまうのです。

(6)薬の常用
薬も(4)と同じく、余分なものは解毒して体外に排出しなければなりません。また、薬の中には交感神経を興奮させる作用があるものも多いため、(4)と同じ流れで肝臓を疲れさせ、働きを鈍らせます。



注意したい肝臓の病気

日本で一番多い肝臓の病気はウイルス性肝炎です。原因となる
ウイルスはいくつかありますが、一般的に問題となるのはA,B
Cの3種類です。肝炎ウイルスに感染すると、まず急性肝炎を
おこし、一部が慢性肝炎へ移行します。
また、ウイルス性肝炎や長年のアルコールの取りすぎによる
アルコール性肝障害が進行すると肝臓の個脳が極めて悪化
する肝硬変となり、肝臓がんが発生しやすくなります。

【A型肝炎】
   A型肝炎ウイルスによって感染します。ウイルスに汚染され
   た水や食べ物(主に生ガキなどの生の魚介類)などを摂取
   することにより感染します。
   適切な治療でほとんど治ります。

【B型肝炎】
   B型肝炎ウイルスによって感染します。1〜6ヶ月で発病し
   最初はカゼや急性胃腸炎に似た症状があり、やがて黄疸
   が出てきます。
   大人になってから感染した場合は大部分は2〜3ヶ月で
   治ります。

【C型肝炎】
   C型ウイルスが原因で輸血や血液を介して感染します。
   2週間〜6ヶ月で急性肝炎を発病したり、徐々に発病
   する場合があります。身体のだるさ、発熱、食欲不振
   などカゼに似た症状で始まることが多いのですが、
   自覚症状がまったくない場合もあります。
   急性肝炎が治っても慢性肝炎に移行する場合が多く
   肝硬変や肝臓がんへと進行することもあります。

【慢性肝炎】
   肝臓の炎症が6ヶ月続いている状
   態です。
   原因のほとんどはB型・C型肝炎ウ
   イルスの感染によるものです。
   症状はだるい、疲れやすい、食欲
   不振など目立たない軽いものです
   が、採血して検査すると肝機能に
   障害があります。
   症状はたいしたことはありません
   が、この状態が十数年続くと、肝
   硬変に進み、さらに肝臓がんにな
   る可能性もあります。
   

【肝硬変】
   肝炎などの肝障害のために肝臓が何度も繰り返しダメージを
   受けると組織が繊維化し、肝臓全体に広がり、表面が
   でこぼこに変化してしまいます。一度繊維化すると元には
   戻らず、その部分の肝機能が失われてしまいます。
   肝硬変は慢性肝炎をはじめとする肝臓病の「終着駅」と
   いわれ、肝臓がんのほとんどが肝硬変から発生します。

【肝臓がん】
   肝臓にできる悪性の腫瘍で、最初から肝臓の組織に発生
   したものを原発性肝がんといいます。肝がんは進行した
   肝硬変に合併して起きることが多く、特にウイルス性肝炎
   から慢性肝炎、肝硬変に移行した人では肝がんの発生率は
   高くなります。症状は相当進行するまでありませんが、
   進行すると黄疸、体重減少、腹水、嘔吐などの症状が現れ
   てきます。

【脂肪肝】
   肝細胞の中に脂肪(中性脂肪、コレステロールなど)が
   異常に蓄積された状態を脂肪肝といいます。
   原因の多くは肥満、糖尿病、アルコールの飲みすぎに
   よるものです。
   脂肪肝はほとんど自覚症状がないのが普通ですが、肝炎を
   合併しやすいという特徴があります。
   太り過ぎの人は減量を心がけることが大切です。

肝臓は人体にとって大切な働きを黙々と続けています。
肝臓が弱ったり、病気になっても、それに気づかずに酷使していると
気がついたら肝臓病に進んでいたというようなケースもあるので、油
断はできません。

肝臓が疲れたり、病気の初期にはまったく症状が出ないかというと
決してそうではありません。
次にあげるようなさまざまな症状が現れたら、肝臓が疲れていたり、
病気になっていたりする可能性がありますので、注意が必要です。

 

体温はどこで作るの・・・?

体温は身体の中で作られ、血液によって運ばれて身体全体を
暖めます。身体の中心部では38度、脇では36〜37度ですが、
それが手や足先に運ばれるころには28度くらいになっています。

具体的には身体の中の体温を作るところは1位が筋肉、2位が
肝臓、3位が胃腸です。運動をすれば暖かくなるだけでなく、食事を
すると身体がポカポカしてきます。
これは肝臓や胃腸が活発に動いて熱を作るためです。

人間は運動していない時、例えば寝ているときでも体温を作り
続けています。安静時には肝臓などの内臓が56%、筋肉は
18%、そして脳が16%、骨が10%です。
肝臓をはじめとする内蔵が体温の多くを作りますので、体温作り
にはなくてはならない存在です。

【肝臓病は冷えを招く】


   肝臓が病気であったり、疲れがたまって元気でないとうまく
   熱が作れませんから、「冷え」の症状が現れます。
   冷え性は熱量の不足が原因で起こるタイプがあります。
   「運動不足や栄養不足などで筋肉がなく痩せている方」や
   「お年寄りの方」、「ダイエットをしている方」などにみられる
   タイプです。
   こうしたタイプには下痢をしやすい、元気がでない、生理痛が
   ひどい、平熱が低いなどの症状が多くみられます。

  熱量不足を改善するには、身体の熱量を上げる工夫が必要
   です。熱を作るところは筋肉のほか、肝臓や胃腸でも大きな
   熱を生み出していますので、栄養不足の方やお年よりなどは
   肝機能や胃腸の働きが低下して十分な熱量が得られないこ
   とがあるのです。

  このような熱量不足の方は、肝臓と胃腸を元気にして、熱を
   十分に発生させることが冷え性の改善にもつながるのです。




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